伝統的なシンプルスタイルを継承したNEWパンダ
2003年9月にヨーロッパで発売され、2004年欧州のカー・オブ・ザ・イヤーを獲得したパンダが7月31日、ついに日本に上陸した。
パンダは1980年のデビュー以来、そのユニークな名前から、世界中で幅の広い層にまで浸透しているシティカー。日常生活の中、実用重視でありながらファニーなスタイルで愛され続けてきた。
初めて実物のNEWパンダと対面した瞬間、良くも悪くも「立派」になったと思った。シンプルで小さくて、なぜか愛くるしかったパンダが、なんだか高級感タップリになっていたのだ。
それには、やっぱり理由があった。このパンダは当初「GINGO」という名で発表されていたのだ。しかし、類似するライバル車があることが判明! 急遽パンダに改名という経緯がある。とはいえ、フィアットが目指したのはシンプルで愛されるシティカー。名前の経緯が色々あったとしても、目指すところは同じだ。
さて、気になるボディデザインだが、マツダのデミオなどのような背の高いコンパクトワゴン系。パンダPLUSなどには、ルーフレールも装備されよりそんなイメージが強くなる。カチッとしたボディラインに、水平基調のキャラクターラインなど、ボクシィなボディにスポーティなイメージをプラスしている。
また、とくにヘッドライトまわりの高級感の演出は見事。ボディと同じスクエアなデザインでインテグレートしながら、ヘッドライトそのものをグッと奥にセット。リフレクターで囲むことで、立体的な高級感をアピールしている。ドイツ車に負けない押しの強いフェイスだ。
リヤビューもルーフトップからバンパーギリギリまで、縦長に配置されたコンビネーションランプ高級感アップに貢献。こちらも、立体感を出すことで単調なストレートな面構成になりがちなリヤビューにスパイスを効かせている。派手さこそないが、堅実なデザインテイストがウリだ。
ボディカラーは全11色。鮮やかなボディカラーが中心。ちょっとポップなカラーで、オシャレに乗りこなすのがパンダ流。
斬新なインパネは、パンダらしいラテン系のテイストたっぷり
堅実なボディデザインのパンダだが、インタリアはいかにもラテン系らしく斬新。ドンと大きな面でパッセンジャーを待ち受けるセンターコンソールのデザインは、高いオリジナリティーをもつ。二つのサークルをつなぎ柔らかなデザインで見せるエアコンのスイッチは技あり! そのスイッチの下に付いているのは、パワーウインドウのスイッチだ。
ちなみに、リヤのウインドウの開閉はグルグルと回す手動式となる。
リヤウインドウは、手動式と古風なのだがインパネには平均燃費や瞬間燃費、平均速度、走行経過時間などを表示するトリップコンピューター機能などが装備されている。
シートはブルーとイエローの2タイプを用意。パンダPLUSのみリヤシートが5:5の分割可倒式、ISO FIXチャイルドシートアンカー、そして開放感タップリの大型サンルーフ、スカイドームが装備される。また、安全装備も充実。デュアルエアバッグに前席サイドエアバッグ、ABS&EBDは標準装備。安全対策にも抜かりはない。
走る楽しさを手軽にアピール! ATモード付5速シーケンシャル!!
前モデルのパンダもキビキビとした元気の良い走りがウリだった。NEWパンダもそんなテイストは忘れてはいない。AT車しか売れない日本向けには、デュアロジックと呼ばれるATモード付の5速シーケンシャルを用意。イージーさとファンな走りを両立した。
パンダのエンジンは、1.2リッターの直4SOHC8バルブを搭載。60馬力と少々控えめだが、低回転でのトルク重視の実用型だ。
ステアリングも実用性を重視。電動パワステは、低速時では操舵力を軽くするシティモードと標準モードを用意。日本の狭い路地などでは、かなり活躍しそうな機能だ。
機能面では、徹底して実用性を重視したNEWパンダ。使えば使い込むほど、味の出てくるクルマかもしれない。