SLK350に搭載されるのは新開発のV型6気筒エンジン。最近のメルセデス・ベンツは3バルブのSOHCエンジンを設定してきたが、新しいV型6気筒は4バルブのDOHCに変更されている。パワー&トルクの数字も200kW/350Nmと大幅な向上が図られており、スポーツカーにふさわしいエンジンといえる。
ツインリンクもてぎでの試乗でも、滑らかな吹き上がりに従って力強くパワーが盛り上がっていくフィールに好感が持てたほか、高回転域まで回したときのパワーフィールも上々のもの。相当な実力を持つエンジンといえる。組み合わされる電子制御7速の7Gトロニックは、スムーズなギアのつながりによって気持ち良い加速フィールを味わわせてくれる。
SLK55AMGに搭載されるのはV型8気筒の5Lエンジン。こちらは従来からの3バルブSOHCだが、大排気量を生かして265kW/510Nmの圧倒的なパワー&トルクを発生する。このエンジンの生み出すトルクは圧倒的なもので、豪快な加速フィールが味わえる。雨のサーキットで試乗したため、豪快な加速を存分に味わうわけにはいかなかったが、コーナーなどではESPの制御が入ってクルマの安定性を確保してくれるので、極めてパワフルなクルマながら安心感のある走りが可能だった。
今回のモデルでは価格帯も上がってSLK350でも672万円。SLK55AMGでは実に1000万円近い価格になるから、お勧めできるのは必然的にSLK350のほうになる。AMGの豪快な走りにはまた別の魅力があるが、予算に制限のない人向けのクルマだ。