「コンパクト」の良さと「ワゴン」の良さを加えて新登場!
三菱自動車工業は10月25日、久しぶりの新型車となる「コルト プラス」を発表した。
新聞各紙上を賑わせていた「リコール隠し」問題などの影響を受け、長らく自粛中であった新型車の久しぶりの発表となった。そのため同車は、三菱「国内事業再生計画」の第一歩としての重要な役割を担っての登場となる。
「コルト プラス」は、三菱の主力コンパクトモデル「コルト」をベースに、リア回りを約300mm延長して荷室を拡大。コルトの高い小回り性能はそのままにワゴンのユーティリティを兼ね備えた、言わば「イイトコ取り」のモデルとして、より多くのユーザーのニーズにアピールするクルマである。電動で開閉が可能なエレクトリックテールゲート、荷室のレバーの操作だけでリアシートが簡単に倒せるワンタッチフォールディングシート、用途に応じて荷室フロアの高さが変えられるフレキシブルカーゴフロアなど、広く実用的になった荷室の使い勝手がさらに深く考慮されている。
エンジンは新開発の軽量1500ccアルミエンジン、2タイプを採用。共に欧州生産(ドイツMDC Power社製)のエンジンである。既に2003年12月に発売が始まっている欧州向けのコルトなどに搭載済みのエンジンだ。これに全車INVECS-III CVT(無断変速機)の組み合わせとなる。中でもスポーティグレード「ラリーアート」グレードに用意されたのは、最高出力147ps、最大トルク18.3kg・mを誇る1500インタークーラー付きターボエンジン。三菱車らしさの象徴である「スポーティな走りのDNA」を継承したモデルである。
デザイン面では、コルトのワンモーションフォルムをベースに、延長された後部をラウンドフォルムで包んだ個性的なスタイルが特長だ。スタイリッシュさと実用性を兼ね備えた「スタイリッシュ・ムーバー」がコンセプトである。そのため、あえてワゴン車らしいスクエアなスタイルは採用しなかったという。フロントデザインも変更を加えたことで、全体にエレガントな印象が強い。
なお、「コルト」から始まった三菱の新たな生産システム「クオリティゲート」の思想を引き継ぎ、コルト プラスでも構想・設計段階から実際の生産ラインに至るまでの全てのプロセスに「ゲート」(審査・検査)を設けることで、より高品質な仕上がりを目指したという。
月間販売目標台数は「コルト プラス」が月2000台。同時にマイナーチェンジモデルが発表となった「コルト」も月2000台となっており、コルトシリーズ合わせて月4000台の目標となっている。