新しいヴィッツに乗ると、走りに関しては1.3L車がちょうど良いという印象だった。
ベースエンジンとなる1Lは、必要十分なレベルの動力性能を発揮するが、あくまでもタウンユースでの話。高速道路での追い越し加速となるとさすがに苦しいので、1Lエンジンの搭載車には限界がある。使い方を考えて買えばいいだろう。
市街地から高速クルージングまで過不足のない走りを示すのが1.3L車だ。1Lエンジンに比べるとグンと余裕が大きくなり、スーパーCVTとの組み合わせによる走りのスムーズさなど、ヴィッツにふさわしい走りのフィールを実現する。ただ、加速時の騒音がやや大きめな点だけがやや気になった。発進時なども含めてエンジンを回したときの音が大きい。
1.5L車はRSが設定されていることでも分かるようにスポーティな走りを実現するエンジンだ。ヴィッツのボディに対して十分すぎる動力性能を備えるので、気持ち良い走りを楽しむことができる。
リヤサスペンションはシンプルなトーションビーム式だが、フットワークは軽快さにあふれている。乗り心地には不満がないし、コーナーではそれなりにロールをするが、安定感もまずまずのレベルだ。今回の試乗ではワインディングを試したわけではないが、安定感のあるシャシー性能が感じられた。電動式のパワーステアリングも違和感のないものに仕上がっている。
●お勧めグレード
長期的に見れば1Lエンジンの搭載車が売れ筋になると思うが、当面は1.3L車が良く売れると思う。お勧めも1.3Lエンジンの搭載車だ。
中でもお勧めなのが1.3F。価格は121.8万円で、1.3Uとはけっこう大きな価格差がある。各種装備の差が累積されてこの価格差になるのだが、結果的には多くのユーザーが選ぶのは1.3Fになると思う。1.3Uは装備は良いが、そのために1.5X並みの価格なのだからコンパクトカーとしてはかなり高い。
1.3Fをベースに、スマートエントリー、SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグ、それにCDボイスナビなど20万円分くらいのオプションを装着するというのが最適の買い方になると思う。