空力特性を向上させるエクステリアデザイン!
富士重工業は、スバル インプレッサ セダン WRX STIシリーズをマイナーチェンジし、6月16日より全国スバル特約店を通じ発売を開始した。
ベースとなるインプレッサシリーズが、スプレッドウィングスグリルの採用をはじめとする大規模なマイナーチェンジを実施したことに合わせ、AWDスーパースポーツセダンのWRX STIシリーズについても、数々の変更を行なった。
エンジン面は、低速域での扱いのよさはそのままに中速域でのトルクを向上させ、最大トルクをなんと422N・m(43.0kg・m)にまで高めた。細かい点では、6速マニュアルトランスミッションは、4速、5速、6速のシンクロ表面にカーボン材を焼結し配合。シンクロ機能を強化することでシフト操作力を低減し、シフトフィーリングを向上。また、シフトレバージョイント部の剛性を高め、さらに小気味良いシフト操作感を実現しているという。
さらに、従来からの電子制御式AWDシステム「DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)」に、新たにトルク感応型の機械式LSD(リミテッド・スリップ・デフ)を追加するとともに、電磁式LSD制御にステアリング舵角センサーを追加。操縦性と安定性をより高い次元で両立させ、走りの愉しさを追求した。
エクステリアでは、WRカーをイメージさせる力強さを表現した専用のフロントバンパーを採用するとともに、バンパーサイドには、フロントコーナースポイラーに加え新たにサイドグリルを装備し整流効果を高めた。そして、フロントグリルからフロントフードにつながる造形とキャラクターラインにより、インタークーラー冷却用のエアインテークへの導風効果を高めるとともに、開口部の高さを抑えるなどエアインテーク形状を最適化している。またリアウィンドゥ上部に、ルーフベーンを採用。ルーフ上面を流れた空気を整流しリアスポイラ−への導風を促進することでリアスポイラ−の効果をより高めてリアのダウンフォースを向上させた。その他、床下フロア後端に、ディフューザーを採用。床下を通る空気の整流効果を高めることでリアのリフトを抑え、走行安定性が向上した。
このように、モータースポーツ参戦を視野に入れ、主に高速ラリーで求められる空力特性の向上を目的とした専用エクステリアデザインを採用したのが大きな特長といえるだろう。
近年スバルでは、WRC(FIA世界ラリー選手権)に参戦するSWRT(スバル ワールド ラリー チーム)との連携を強めており、歴戦の現場からのフィードバックが、このように実際の市販車の改良に反映されたといえる。
インテリアでは、「WRX STI spec C」のシート、ドアトリムなどがブラック色に統一され、コンペティションモデルらしい精悍さを演出している。
価格は、340万2,000円〜349万6,500円(spec C含む)となっている。
スバルが世界に誇る名車がこの価格で手に入るのは日本だけだ。世界垂涎のスーパースポーツセダン、ちょっと無理をしてでも手に入れる価値のある稀有な1台といえるだろう。