1998年にデビューした初代Aクラスはメルセデス・ベンツが初めてFFの小型乗用車作りにチャレンジしたモデルだった。独自のサンドイッチ・コンセプトによって乗員の居住空間とメカニズム部分を仕切ることで、高い衝突安全性能を確保したのを始め、数々の特徴的なメカニズムや仕様を備えたモデルだった。
発売直後に実施された急なレーンチェンジを繰り返すエルクテストによって横転の危険が指摘されたが、メルセデス・ベンツは販売したすべてのAクラスを一旦引き取ってESPを装着するなどの改修を実施し、それによって信頼を高めるという一幕もあった。
新しいAクラスは基本的に初代モデルのコンセプトを受け継いでおり、サンドイッチ・コンセプトのボディ構造やフロントノーズからAピラールーフへと続くワンモーションのフォルム、燃料電池車を意識して高めに設定された床面などは、今回のモデルにも採用されている。
ボディサイズは従来に比べてひと回り大きくなり、これによってAクラスの欠点のひとつとされた居住空間を拡大すると同時に、クラッシャブルーゾーンを拡大して安全性を高めている。