息の長い商品に
日本で10番目の乗用車メーカー、ミツオカ。同社の代表的モデルであるViewt(ビュート)が、実に13年ぶりのフルモデルチェンジを行なった。
初代ビュートは、欧州の旧車を思わせるクラシカルなボディデザインで人気を博したコンパクトカーだ。93年1月より発売開始され、03年5月に生産終了。その後、中古車ベースの認定中古車「メイクアップ・ビュート」も造られ、05年8月現在でおよそ9,300台ものビュートがこの世に送り出されているという。2代目となる新型もクラシカル路線は継承され、レトロで愛嬌のある佇まいが印象的だ。
ビュートのベースとなるのは日産の人気コンパクトカー「マーチ」。マーチの基本的な骨格や足回り、室内などを流用し、外観のボディデザインをハンドメイドにより1台1台改装していく。
初代ビュートはマーチの2代目モデルをベースとしていたが、今回は3代目マーチがベースとなる。その関係もあり、ボディサイズは一回りほど拡大。室内空間は初代に比べ大きく広がった。
また、先だって行なわれたマーチのマイナーチェンジに準拠し、ランナップは1.2(FF・4AT)、1.5(FF・CVT)、1.4(4WD・4AT)の3タイプ。車両本体価格は1.2が239.4万円、1.5が261.975万円、1.4 4WDが258.3万円(全て消費税込み)となっている。このミツオカ ビュートはハンドメイドによる生産であり、全て受注生産となる。立上げ当初は月産約20台を予定する。およそ3〜6ヶ月の納期が見込まれるという。
ミツオカの光岡章夫社長は発表の席で「ビュートを、欧州のミニ、ビートルのように、息の長い商品として育てたい」と語る。2代目もまた、初代同様にユーザーから長く愛され続けるモデルとなれるか、動向に注目したい。