ちょっとした「事情」で復活が困難に
天寿を迎えることもなく、
人知れず解体屋に入ってくる車はたくさんあります。
まだまだ乗れる車たち。気の知れた解体屋に頼めば、そいつを何とか公道を走れるように努力はしてくれます。
でも、ちょっとした「事情」で解体屋送りになった車が多ため、結局書類が用意できなかったり、前所有者が死亡しているなどの事情で譲渡が難しい、
(前所有者死亡の場合、抹消前の譲渡にあたり財産相続権を有する者の印鑑、委任状等が必要になるため)
などなど、そう簡単に事は運びません。
迎えられない天寿
そんな車たちの中には、
走行距離が数十キロから数百キロで解体なんて物件も年に数回見かけます。
まだまだ走れるのに、自動車としての天寿を迎えることができないなんて、
なんだかかわいそうですね。
しかし、いざ中古車として乗ろうとすると、放置による経年劣化でゴム部品が溶けていたり、エンジンに「アタリ」がつく前に手放され、吹け上がりが妙に鈍かったりで、いいことばかりではありません。
難しいものです。
法整備は理解できますが
最近ではNOx・PM法(排気ガス規制)や自動車リサイクル法などの影響で、法律的にも車の寿命が短くされてしまいました。自動車リサイクル法では、完全抹消にされた車の車籍復活ができなくなってしまったのです。
ただし、自動車税滞納や車検の長期未更新、放置状態等に対し、陸運局が職権によって判断する「職権抹消」で完全抹消なった車の場合は、復活の可能性があるそうです。
ところで自動車リサイクル法って本当に必要なのでしょうか?
確かに不要になった自動車の路上放置や投棄は犯罪ですから、法整備も理解できます。
とはいえ、リサイクルのためにユーザーが負担している預託金も、100%目的どおり利用されるのかと疑わしい点もあります。
結局、役人の天下り先となる管理団体が増えただけのような気がします。