かなりスポーティ!!
23Tの内外装は際立って特徴的なものではないが、走りのための仕様やメカニズムはターボならではのものがいろいろと用意されている。ターボ仕様のエンジンは180kW(245ps)/350N・mのパワー&トルクで自然吸気仕様に比べると5割増以上の実力だ。さらにターボ車には(4WD車にも)電子制御6速ATが組み合わされており、ショックの少ない滑らかなで力強い走りを実現する。
走りのための仕様として、215/55R18タイヤを履くほか、ブレーキもサイズアップしたものが装着され、ダンパーやスタビライザーなどサスペンション系の仕様もスポーティなものとなる。
横滑り防止装置のDSCと駆動力制御のTRCがセットで標準装備されているが、これはターボ車だけの設定だ。
これらのメカニズムに支えられ、23Tの走りは相当にスポーティなものになる。ターボ仕様のエンジンは、基本的にはマツダスピードアテンザに採用されたものと基本は同じだが、ミニバン専用のチューニングが施され、自然吸気エンジンのフィールにも近い滑らかな加速のターボに仕上げている。
しかも前述のように6速ATとの組み合わせによってとても滑らかな変速フィールが得られるのも魅力だ。この6速ATは1速をローギアード化してワイドなギア比を設定すると同時に、各ギアの間隔をクロス化しているので、とても滑らかなで力強い走りを実現できる。
足回りは相当に硬めの印象で、段差を超えるようなところではショックも大きいが、そのショックの収束が早いのが良い。しっかりした感じの足回りでコーナーでの安心感が大きいのも評価できる。
ターボも捨てがたいが、やっぱり23Cをベースに考えよう。
●お勧めグレード
ターボ車は23Tのみの1グレードの設定。2WDとアクティブトルクコントロールカップリング4WDの設定があるが、温暖な地区のユーザーにはあえて4WDを選ぶまでもなく、2WDで良いと思う。この4WD車には試乗していないが、アクセルを踏んだ瞬間には後輪にもトルクを配分してくれるので、レスポンスに優れた4WDシステムに仕上がっているという。
それはともかく、23Cスポーティパッケージと23Tのどちらかを買おうと考えているユーザーは案外多いかも知れない。価格差は20万円ほどあるが、ターボエンジンによるパワーの差が大きい上にATも6速になる。さらに18インチタイヤも含めて考えると、ターボ車が案外割安な印象。けっこう高い比率で売れるのは間違いないだろう。
ただ、カーナビなどの快適装備のほか、安全装備もしっかりオプション装着しようとすると、トータルの車両価格がけっこう高くなる。23Cか23Cスポーティパッケージをベースに、欲しいオプションを装着するのが賢い買い方ではないか。