C2VTSに搭載されるエンジンは基本部分は従来からのエンジンと共通だが、可変バルブタイミング機構を採用するなど、ヘッド回りにチューニングが施されていて、従来の80kW(110ps)から90kW(125ps)にパワーアップが図られている。トルクは147N・mから143N・mへとわずかに下がっているが、スムーズかつな回転の上昇とパワーフィールは従来のエンジンとは明確に異なるものだ。
組み合わされるトランスミッションは5速MTのみの設定で、この点でもスポーティな仕様とされているのだが、シフトレバーのストロークが長くて操作性はさほど良いとはいえず、またクラッチペダルも相当にストロークが大きくてせっかくのエンジンのスポーティさをスポイルしているきらいがある。最近の日本車のシフトレバーなどは極端にストロークが抑えられているので、余計に不満に感じられるのかも知れない。
足回りは相当に硬めのチューニングが施されている。従来からのVTRに比べると、スタビライザーの径を拡大したり、バネレートを高めたりして、高い操縦安定性を発揮する足回りとしているが、ホイールベースの短いコンパクトカーだけに、道路の継ぎ目を拾って乗り心地が悪くなっている。このあたりは好みの問題もあるが、もう少ししなやかさが欲しいと思う。
ステアリングは電動式のパワーステアリングとなるが、高速域での手応えはとても重くなり、しかもシャープでダイレクトな操舵フィールを実現している。