オンロードの実力は
今回のモデルからボディがフレーム付きからモノコックボディに変更された。オンロードでの走りを重視して快適性の高いクルマに仕上げるための変更である。
搭載されるエンジンはV型6気筒3.5LとV型8気筒5.0Lの2機種。すでにメルセデス・ベンツのほかのモデルでおなじみのエンジンであり、ともに動力性能に不満はない。Mクラスの車両重量はモノコックボディ化されたといっても2tを超える水準だが、どちらのエンジンもそれを問題にしないだけの動力性能を備えている。
走りのパフォーマンスを考えたらML500の走りが注目されるところだが、バランスの良さというか、エンジンの吹き上がりフィールの良さ、トルクの出方のスムーズさなども合わせて考えると、ML350に搭載される3.5Lエンジンのほうが好ましい印象だ。4バルブのDOHC化された素性の良いエンジンであることが魅力の理由。さらにML500も含めて7Gトロニックの7速ATと組み合わせることで、滑らかな走りを実現している。
オフロードの実力は
ML500オフロードパッケージを装着したモデルによるオフロードの特設コースでの試乗では、非常に高い悪路走破性を発揮してくれた。左右交互に突起と凹みが連続するモーグル状態の路面で1輪が浮くようなときにも、剛性の高いボディが確実に路面にトラクションを伝えるし、傾斜したバンク状の路面でも安定性が発揮され、急な下り坂で任意のスピードを維持するダウンヒルスピードレギュレーションや登り坂で停車から発進するときに手助けをしてくれるヒルスタートアシストなど、最新メカニズムもふんだんに取り入れられている。
4WDシステムは電子制御のスタンバイ4WDでオフロードパッケージの装着車ではデフロックなどが選べるが、相当に荒れた路面でも4WDオートの状態で難なくこなしてしまうくらいの実力がある。
お勧めグレードは
アメリカ車からメルセデス・ベンツ車に変わった感のあるMクラスたが、機能、性能、品質などが大幅に向上したこともあって、価格帯も上昇している。ML350で699万円、ML500では945万円の価格だから、割安感を感じさせた初代モデルに比べ、簡単に手の届くクルマではなくなった。強いていえばML350のほうがリーズナブルな印象で、こちらがお勧めグレードとなる。