親子で安全運転の『基本』を徹底的に学ぶ
すっかり恒例となった親子で参加できる安全運転講習会、「母と子の楽ラク運転講習会」が10月14日土曜日、秋晴れの中の都内ホテルで開催された。交通安全の基礎を親子で学べるとあって、当日は多くの参加者で賑わった。
講師は、雑誌やTVで活躍するモータージャーナリストの任意団体「日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)」に所属し、各方面で実践的な安全運転講習の講師を務めるモータージャーナリストなどが中心。我らが『CORISM』執筆陣のこもだ きよし氏や松下 宏氏など、その道のエクスパートたちが一堂に集まっての会となった。
まずは基本の「き」であるドライビングポジションのチェックから始まり、安全運転への取り組みについての講義を受けた後、一同は駐車場に移動。タイヤメーカー協力のもと、実車でのパニックブレーキと呼ばれる緊急停止の実践を受けた。普段はなかなか試すことのない「急ブレーキ」という行為。ペダルを思いっきり踏むこと(意外に出来ないものだ)を実際に体感出来るだけでも、今回参加した意義は大いにあると言って良いだろう。
その後、SRSエアバッグの作動実演も行なわれ、火薬を使用した激しい爆発音に参加者は一様に驚いていた。膨らむ速さは実に時速換算で300km/h! ただし、SRS(シートベルトを補助拘束する装置の意味)の名の通り、その効果はシートベルトをしてこそ役立つということを改めて周知していた。
必見!『AED(自動体外式除細動器)』の使い方も伝授!
最近、オレンジ色の箱(写真)を公共施設や高速のサービスエリアなどで見かけるようになった。これはAED(自動体外式除細動器)。突然心停止状態になったヒトのための救命装置だ。
心臓が突然止まる原因はほとんどが「心室細動」(心臓がけいれんし血液が送れなくなる状態)。その状態を唯一救うのが電気ショックで、AEDはそのためのマシンというワケだ。発生から3分以内に処置できれば6割、2分以内に処置出来れば実に8割の患者の命が救える※といい、救急車が到着するまでの間にも一刻も早い処置を行なうことが重要だとわかる。
( ※AHA心肺蘇生と救急心疾患治療のための国際ガイドライン2000より )
実は平成16年7月より、AEDはお医者さん等の医療従事者だけでなく一般の市民が扱っても良いことになっている。とはいえ、そもそもAEDに触れたことすらないヒトが大多数で、「母と子の・・・」では、そんな貴重な体験をするチャンスが与えられた。操作は至って簡単で、親のみならず児童自らチャレンジする姿も多く見られた。身近で遭遇することもありうることだけに、みな一様に真剣な取り組みだったのが印象的だった。
サポートプログラムも充実!
会場では、その他にもサポートプログラムとして様々な講習が実施されていた。中でも目をひいたのはロールオーバーシュミレーション(写真)。
ロールオーバー(横転)時の疑似体験をすることで、シートベルトの有用性について身をもって体感出来るというスグレモノなのだ。最初は徐々に45度、次第に角度が傾いていって・・・なんと180度(逆さま)にまで達する! そんな状況下でもシートベルトは乗員の身をしっかり守り、カラダが動いたりすることはないのだから心強い。運転席に比べ、後席のシートベルト装着率は驚くほど低い。そのため事故発生時に車外へ放出され後続車に轢かれるなど、悲惨な二次災害となるケースも多いと聞く。ロールオーバー体験をした後は「後席でも(ベルトは)ちゃんとシメます!」という受講者の声も聞こえ、その効果は高かったようだ。
その他、車庫入れや縦列駐車のレッスンが受けられる「楽ラク・パーキングコーナー」、実際の大型トラック運転席に座って確認できる「死角の確認コーナー」、「チャイルドシート体験コーナー」など盛り沢山。充実の内容に参加者は満足そうだった。
( 写真/レポート:CORISM編集部 )
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【イベント情報】 (2006.08.01)
雑誌やTVで活躍するモータージャーナリストの任意団体、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)は、親子で参加できる安全運転講習会を10月14日(土)東京プリンスホテル CD駐車場およびガーデンアイランドにて開催する。 >> 記事全文を読む |
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