用意された2種類のスペックのブリヂストンタイヤ、その結果は…?

 2007年、FIA フォーミュラーワン世界選手権開幕戦のING オーストラリアGPが、アルバートパーク・サーキットで開催された。

 58周のレースのうち、52周をリードし続けた、キミ・ライコネン(フェラーリ)がオーストラリアGPで優勝を果たすとともに、今週末の最速ラップタイムを決勝レース41周目で記録した。2位にはフェルナンド・アロンソ、3位には今回がF1デビュー戦となるルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)が続いた。

 また、4位にはBMW ザウバーのニック・ハイドフェルド、続いて5位にルノーのジャンカルロ・フィジケラが入った。エンジンとギヤボックスを交換していたフィリペ・マッサはグリッド最後尾からのスタートだったが、1ピットストップ戦略で順位を上げ6位完走を果たした。7位にニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ・トヨタ)、8位にラルフ・シューマッハ(トヨタ)と、それぞれチャンピオンシップ・ポイントを獲得した。

 キース・ファン・デ・グリント ブリヂストン・モータースポーツ オペレーションマネージャーは、「今回のシーズン開幕戦の結果にはとても満足しています。2種類のスペックのタイヤは両方ともシミュレーションで予想していた通りの性能を発揮してくれました。ミディアム・コンパウンドは非常に性能の安定性が高く、今週のソフト・コンパウンドの使用はチームにとっては難しかったと思います。今週末はかなりの数のタイヤを使いましたが、タイヤのトラブルは発生しませんでした。スコット・スピード(トロロッソ)にフロント・タイヤの空気圧が減少するというトラブルがありましたが、我々とチームが調査を行ったところ、この空気漏れはタイヤとは無関係であることがわかりました。ブリヂストン・モータースポーツにとって、今週末はグリッドに並ぶ全てのチームにタイヤを供給するという新しい経験でした。1800本以上のタイヤをリム組みましたが、そのためにスタッフの数を増やしていました。誰もが非常に良く頑張ったと思いますが、日本で良く言うように、常に改善の余地はあります。今後のために、さらに良いアイデアも用意しています。次の厳しい挑戦、セパンが楽しみです」と語った。

 各チームの使用タイヤは次の通り。

ING ルノー F1チーム
ジャンカルロ・フィジケラ(ミディアム−ミディアム−ソフト)/ヘイッキ・コバライネン(ミディアム−ミディアム−ソフト)
スクーデリア・フェラーリ・マールボロ
フェリペ・マッサ(ソフト−ミディアム)/キミ・ライコネン(ミディアム−ミディアム−ソフト)
ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス
フェルナンド・アロンソ(ミディアム−ミディアム−ソフト)/ルイス・ハミルトン(ミディアム−ミディアム−ソフト)
HondaレーシングF1チーム
ジェンソン・バトン(ミディアム−ソフト−ミディアム)/ルーベンス・バリチェロ(ソフト−ミディアム−ミディアム)
BMWザウバーF1チーム
ニック・ハイドフェルド(ソフト−ミディアム−ミディアム)/ロバート・クビサ(ミディアム−ミディアム)
パナソニック・トヨタ・レーシング
ラルフ・シューマッハ(ミディアム−ミディアム−ソフト)/ヤルノ・トゥルーリ(ミディアム−ミディアム−ソフト)
レッドブル・レーシング
デビッド・クルサード(ミディアム−ミディアム−ソフト)/マーク・ウェーバー(ミディアム−ミディアム−ソフト)
AT&Tウィリアムズ・チーム
ニコ・ロズベルグ(ミディアム−ミディアム−ソフト)/アレクサンダー・ブルツ(ミディアム−ソフト)
スクーデリア・トーロ・ロッソ
ビタントニオ・リウッツィ(ミディアム−ミディアム−ソフト)/スコット・スピード(ミディアム−ソフト)
スパイカー・F1チーム
クリスチャン・アルバース(ミディアム)/エイドリアン・スーティル(ミディアム−ミディアム−ソフト)
SUPER AGURI F1チーム
佐藤琢磨(ミディアム−ミディアム−ソフト)/アンソニー・デビッドソン(ミディアム−ミディアム−ソフト)