三菱 新型デリカD:5 |
三菱のデリカが約13年ぶりにフルモデルチェンジされた。
5代目モデルとあって、名称も新たに<デリカD:5>としている。
歴代モデルから受け継いだ特徴は、ミニバンでありながらSUVと同等の走破力を持たせたこと。
D:5ではエンジン、プラットフォーム、4WDシステムなどをSUVの<アウトランダー>と共通化し、
先代型の<スペースギア>と同じく、ミニバンでは最高水準のオフロード性能を確保する。
その一方で、「居住性」や「取り回し性」も大幅に向上されている。
コイツは恐らく、息の長い人気車になるだろう。
知の巻:デリカD:5が人気の理由
ライバルのステップワゴンやセレナと比べても室内に余裕アリ
リセールバリュー:
58%〜65%
「リセールバリュー」、つまり数年後の下取査定は、その時点で予測した将来的な価値で決まる。つまり中古車として高値で売れる人気車なら、リセールバリューも向上するわけだ。その意味で、新型デリカD:5は大いに期待が持てる。おそらく今後も、長い期間に渡って高い人気を維持すると考えられるからだ。 |
先代型の<スペースギア>は、4WDシステムや足回りを2代目の<パジェロ>と共通化。悪路の走破力は高かったが、デメリットも多かった。床が大幅に持ち上がって重心も高く、乗降性、居住性、走行安定性などに好ましくない影響を与えていた。
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比の巻:ライバル研究
伝統的なスタイリングが所帯じみた雰囲気を感じさせない<エスティマ>
VS 日産 エルグランド
リセールバリュー:
46〜51%
後輪駆動のプラットフォームを使った古典的なLサイズのハイルーフミニバンだが、このクルマも新型デリカD:5とは違う手法で所帯じみた雰囲気を消し去っている。それは押し出し感を強めた奇抜ともいえるフロントマスクと、2トンに達するボディーを強引に加速させるV型6気筒の3500ccエンジンだ。セダンでいえば<シーマ>、SUVならば<ランドクルーザー100>に相当するような、大胆ともいえる迫力を伴う。 |
VS トヨタ エスティマ
リセールバリュー:
57〜64%
エスティマは06年に登場した新型車で、代替え需要も多いことから人気は絶好調。V型6気筒の3500ccエンジンも用意するが、売れ筋になるのは新型デリカD:5と同じ直列4気筒の2400ccモデルだ。販売比率が50%に達する「2400アエラス」の価格は285.6万円。新型デリカD:5の「Gパワーパッケージ」とほぼ等しく、ライバル車になり得るクルマだ。 |
選の巻:オススメ乗り換えプラン
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「クロカン4WD」なのか「ミニバン」なのか微妙な位置付けにある新型デリカD:5。逆にいえば、その最大のウリがクロカン4WD並みのオールラウンドな走破性をミニバンの車体で実現出来てしまうところです。先代モデルの<デリカ スペースギア>もそうであったように、ウインターシーズンにスキーやスノーボード。そして暖かい時期はキャンプなどレジャーで大活躍する点。車格が大きいため、8名乗車でもラゲッジルームのスペースが確保されるなど、ファミリー向け最強のパッケージと言えるでしょう。また、<エスティマ>などと比較しても、中古車のタマ数が少ない点はリセールバリューで有利です。 |
極の巻:中古車購入には…
ディーゼルも選択できるスペースギアの中古車は今が絶好の買い時です
三菱 デリカ スペースギア 20thアニバーサリーLTD 2002年式
中古車相場:
(2007/3現在)
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新車では新型デリカD:5と比較出来るクルマはほとんどありませんが、中古車なら先代の<デリカ スペースギア>がライバルと言えるでしょう。もちろんD:5の方が新しい仕組みなど追加されていますが、高い車高がもたらす室内のゆとりある空間や、オフロードなどの悪路走破性の高さは折り紙付きです。 |
鈴木詳一 所長