低速トルクたっぷりのエンジン特性が魅力!
搭載エンジンはV型6気筒3.8リッターのOHV仕様に変更された。199ps/32.1kgmのパワー&トルクは数値的には特に優れたものではないが、低速域でのトルク特性はオフロード4WDにふさわしいもの。ラングラーのスポーツとサハラ、アンリミテッドのスポーツとサハラには4速ATが組み合わされ、ラングラーのルビコンにだけ6速MTが組み合わされている。
ルビコンの走りは正にオフロードを走るためのものだ。4WDへの切り換え機構もロックトラックトランスファーと呼ぶ専用のものになり、トゥルロックディファレンシャルや電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステムなどが採用されている。スウェイバーはスタビライザーのことで、この連結をスイッチひとつで外すことができ、極端な悪路では高い接地性と走破性を発揮する。
究極のオフロード性能を発揮する本格派4WD
今回の試乗では特設されたオフロードセッションや、自然のままのアップダウンのあるオフロードコースを走ったが、本当にクルマがこんなところを走れるのかと思うようなシーンを確実にこなしていくだけの性能が確認できた。クルマではというより、歩きでも行かないような急坂を上り下りすることができるのだ。
それと引き換えに、オンロードでの快適性はさほどではない。今回のフルモデルチェンジではオンロードでの快適にも配慮した改良が加えられているが、これはあまでもラングラーを基本にしての評価。最近では乗用車並みの高い快適性を備えたSUVが多くなっているだけに、それらに比べるとオンロードでの乗り心地は良好とはいえず、騒音レベルなども高めになるのは止むを得ない。そうした性能より、オフロードでの走破性を重視するユーザーが選ぶクルマなのだ。
●お勧めグレード
今回のフルモデルチェンジで設定されたアンリミテッドがひとつの注目モデルになるのは確かだが、これを選ぶかどうかは難しいところ。ラングラーらしいヘビーデューティーさを求めるなら、アンリミテッドではなくラングラーであり、中でもルビコンが選ぶべきグレードになる。
さすがにルビコンでは扱いにくいという場合にも、ラングラーを選ぶならサハラがお勧めグレードになるだろう。
オフロードを走る機会が多いが、何人かのパッセンジャーを乗せて3人以上で移動したり、あるいはアウトドアレジャーのための荷物も積んで快適に走りたいというユーザーには、アンリミテッドがちょうど良いグレードになる。新しい選択肢としてアンリミテッドがあるということは頭に入れておくと良い。