大排気量NAらしいパワーとレスポンスが魅力!
そもそものエリシオンの走りというのは、見た目のイメージ通り、どっしりとした落ち着いたもの。クルージングを淡々とこなすといった頼もしさ重視で、さすがに機敏な感じではなかった。それだけにプレステージの走りが大いに気になるところだが、まず第一印象としてはパンチがあるということ。踏み込めば、ドンという感じで背中を押してくれ、そのまま天井知らずで加速していくという感じ。ハイパワー&大排気量のV6の真髄といったらいいだろうか。滑らかな吹けは、NAらしさも存分に味わわせてくれ、クセになりそう。ただし、なにも気にしていないと、燃費は都内で5〜6km/L、高速でも7〜8km/Lとなってしまうが……。
スポーティながらしなやかで快適な乗り心地
さらに気になるのはミニバンで比類なき大パワーを出して、本来重視されるべき乗り心地などが犠牲にされないかということ。その点はじつはしっかりと配慮されていて、例えば足まわりに関しては、パワーをかけたときでもしっかりと受け止めてくれ、不快な振動や揺れは皆無。コーナーでもグラつくこともなく、ロールは少ないし、そもそも自然だ。どんなシチュエーションでも何事もなかったように、サラリとこなし、ゆったりとした乗り味を提供してくれるのはさすがである。
もちろん2t近いボディを支えるため、若干硬めにはなっているが、それも我慢のできる範囲。専用チューニングといっても、スポーティだけに振るのではなく、剛性をアップさせたサスペンションの取り付け部やボディ骨格そのものもおかげもあって、ミニバンらしさは失われていない。どのシートに座っても不快になることはないだろう。騒音に関しては、逆位相の音を発生することでこもり音を打ち消すしており、気持ちのいいホンダサウンドが響く。標準車との差は約50万円といったところ。他車には真似のできない爽快な走りに魅力を感じられれば、安いといっていいだろう。