ルックスだけでなく走りもリファインされた
スイフトはスズキが世界基準のクルマ作りによって開発したクルマで、発売当初から高い評価を受けてきた。そのスイフトも発売から2年半ほど経過し、マイナーチェンジによって魅力アップを図ってきた。
まず注目されるのはスイフトスポーツだ。そもそもスイフトスポーツは、コンパクトクラスでほとんど唯一のスポーツモデルであり、走り志向のユーザーから注目を集めるモデルだった。
そのスポーツに対し、今回の改良ではギア比を変更し、回転上限を高めるなどの改良を実施した。ギア比の変更は1速のギアやややハイギアード化したのだが、これによって1速と2速のギア比がクロースし、つながりが良くなった。発進からシフトアップして加速してしていくときのフィールがより気持ち良くなっている。
さらに従来は6800回転までとされていた回転の上限が7200回転まで引き上げられ(4速AT車は従来は同様)、より元気良く回るエンジンになった。1速のギアで7200回転まで引っ張ると60km/hまで加速し、2速では100km/hの手前に達する。ギアのつながりの良さと合わせて、スポーティな走りのフィールは大きく向上した。
従来のモデルと同時に乗り比べたわけではないので分かりにくかったが、足回りにも変更が加えられていて、ヨーロッパで発売したスイフト・スポーツの足をそのまま日本仕様にも適用したとのこと。結果として、これまでよりやや乗り心地を重視した味付けになったという。それでも硬めの乗り味は相変わらずだし、シュアな感覚のステアリングフィールも従来と変わらない。
今回の改良では、スイフト・スポーツだけにESPが標準で装備されるようになったが、このESPはドライバーの邪魔をしないように、かなり攻めないと効きださないような設定になっている。ドライのオンロードではなかなか効かないくらいで、ダートに持ち出すことでESPの効きを確認した。
スポーツへのESPの装着は取り敢えず評価されるが、スポーツに限らず標準のスイフトにも早期に全車標準するよう頑張って欲しい。
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インテリア
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また今回のマイナーチェンジでは1.3リッター車に代わって1.2リッター車が設定された。4WD車にはまだ1.3リッターエンジンが搭載されているが、1.3リッターのFF車は廃止されて1.2Lエンジン+CVTの組み合わせになった。燃費性能などを考えるとCVT化は時代の流れであり、スズキの対応はやや遅かったといえるくらいである。
逆に言うと、後から出てきたCVT仕様車だけに、それなりに入念に作り込まれていて、新開発の1.2リッターエンジンと合わせてスムーズな走りを見せる。エンジンの吹き上がりがまずまずだし、回転の上昇に合わせて車速が高まっていく自然なフィールに好感が持てる。あまり意識せずに乗っていると、CVT車であることを忘れてしまうくらいだ。
ゲート式レバーによってSレンジやLレンジを選択し、スポーティな走りや強いエンジンブレーキを得るのも容易である。
注目されるのは1.2リッターエンジンとCVTとの組み合わせにしたことで、車両重量がわずかに軽くなった。これによって車両重量がちょうど1000kgになったので、従来の1.3リッター車に比べると自動車重量税が安くなり、1年当たり6300円ずつ負担が少なくなる。コンパクトカーでは見逃せないポイントだ。
注目を付けておくなら、1.2リッターエンジン+CVTによる20.5km/Lという燃費は、数値的にはまだまだといえる。ホンダのフィットは6年前にデビューした時点で1.3リッターエンジン+CVTによって24km/Lを達成しているのだから、スイフトにはまだまだ頑張るべき余地がある。
代表グレード
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1.2XG
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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3755×1690×1510mm
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車両重量[kg]
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1000kg
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総排気量[cc]
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1242cc
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最高出力[ps(kw)/rpm]
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90ps(66kw)/6000rpm
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最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
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12.0kg・m(118N・m)/4400rpm
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ミッション
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CVT
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10・15モード燃焼[km/l]
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20.5km/l
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定員[人]
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5人
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税込価格[万円]
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119.7万円
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発売日
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2007/5/25
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レポート
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松下 宏
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写真
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佐藤靖彦
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