パワフルでゆとりある走りが魅力のT-5
搭載エンジンは直列5気筒2.4Lの自然吸気DOHCと、直列5気筒2.5LのDOHCターボの2機種。これはすでにS40/V50に搭載されているのと同じだ。S40/V50には140ps仕様と170ps仕様の2種類の自然吸気DOHCエンジンが搭載されていたが、C30に搭載されるのは170ps仕様のみとなる。トランスミッションは全車とも電子制御5速ATだ。
ターボ仕様のエンジンを搭載したT-5はトルク感のある余裕の走りが印象的。C30はゆったりしたサイズのボディや安全性が確保されたこともあって、車両重量がけっこう重くて1400kg台に達している。全長が長いS40などとほとんど変わらないくらいの重さである。にもかかわらず、T-5に乗って走り出すと、とても軽快な印象がある。軽いボディのクルマに乗っているような印象だ。
スポーティな走りが楽しめる17インチモデル
このターボはわずか1500回転で最大トルクを発生し、そのまま5000回転までフラットなトルクが維持される設定なので、低速域からとても力強い走りになる。しかも段付きのあるターボではなく、力強さを滑らかに発生する味付けなので、とても気持ち良く走れる印象だ。
T-5の試乗車がオプションのスポーツサスペンションと17インチタイヤを備えたモデルだっただけに、足回りはかなり硬めの印象。路面の悪いところではゴツゴツした感じもあったが、高速域での走りやコーナーでの安定性は好感の持てるものだった。
自然吸気エンジンを搭載した2.4iはターボに比べると実力的には劣るものの、一般的にはこれで十分という印象。標準サス仕様車は乗り心地も優れている。
●お勧めグレード
走りの余裕ということではターボ仕様のエンジンを搭載したT-5が良いのが、価格を考えるとリーズナブルなのは2.4iのほう。ボルボの2.5Lターボは排気量が2521ccあるので、わずか21ccのために自動車税や自動車保険料の区分が変わるのも難点だ。
C30のベースグレードには300万円を切る価格が設定されており、ゴルフ、A3、A/Bクラスなどと競合するクルマになる。
問題はボディタイプが日本ではあまり人気のない3ドアである点がどう出るか。外観デザインや内装の仕様、走りなどから考えたら、若いエントリーユーザーだけでなく団塊世代のユーザーにも受け入れられる可能性を持つクルマだが、3ドアの使い勝手がやや気になるところである。