前述のようにマークXジオはFF車だ。基本プラットホームは前側はエスティマやヴァンガード、ブレイドやオーリスなどと共通するものとされている。後輪側も形式はダブルウィッシュボーンなので共通性はあるが、マークXジオ独自の設計となる部分が多い。
搭載エンジンは直列4気筒の2.4LとV型6気筒の3.5Lで、エスティマやヴァンガード、ブレイドなどと共通。最近のトヨタの主力仕様ともいえる組み合わせだ。2.4Lエンジンには無段変速のスーパーCVT-iが組み合わされ、3.5Lエンジンには電子制御6速ATの6スーパーECTが組み合わされる。
3.5L車の走りは余裕十分だ。自然吸気で206kW(280ps)のパワーを発生するエンジンだけに走りのパフォーマンスは豪快なもの。発進時にラフにアクセルを開けるとすぐにトラクションコントロールが効きだすほどだ。3列シート車なのでボディはちょっと重いが、重量を感じさせない加速感が得られる。軽井沢周辺の峠道を走っても急坂をグイグイ駆け上がっていく。
18インチタイヤを履いた足回りはちょっと硬めの味付けとなる。350G専用のチューニング施されたサスペンションが設定されていることも、乗り心地の硬さにつながっている。安定性の高さは上々だし、18インチタイヤにしては乗り心地も悪くないが、パッセンジャーのことを考えるともう少し乗り心地側に振っても良いと思う。
室内騒音もマークXを名乗る割にはちょっと大きめ。後部に開口部を持つマークXジオではセダンに比べて不利になるとはいえ、ロードノイズが大きめに入ってくる。トヨタの会話明瞭度でという基準で見るとマークXセダン並みとのことだが、マークXのほうがずっと静かだと思う。
2.4Lエンジンの搭載車は動力性能には明確な違いがあるものの、CVTとの組み合わせによって走りの滑らかさは上々のレベル。6人乗り仕様の240Gは18インチタイヤを履くので、サスペンションのチューニングが異なるとはいえ乗り心地はやや硬め。これに対して240Fなどは16インチタイヤを履くので乗り心地も柔らかめになる。
●お勧めグレード
6人乗り仕様で16インチタイヤを履いたモデルがあればベストなのだが、残念ながらその設定はない。18インチタイヤを履いた仕様だと最小回転半径が5.7m(16インチタイヤは5.5m)と大きくなるし、スタッドレスタイヤを買ったり、何年か先にタイヤを交換するときに高くつく。そもそも7人乗り仕様を例外的なものにするようなバリエーション設定だったら良かったのにと思う。
なのでお勧めグレードを選ぶのが難しいが、マークXジオ本来の魅力を考えたら、やはり6人乗りを選ぶべきで、240Gがお勧めとなる。スタッドレスタイヤを買うときにはホイールも一緒に買って16インチタイヤにしたら良いのではないか。