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- 高回転域までパワフルな加速が味わえるスポーティなエンジン
- 洗練された上質な走りを実現した
- ●お勧めグレード
高回転域までパワフルな加速が味わえるスポーティなエンジン
搭載エンジンはVVELと呼ぶバルブ作動角&リフト量連続可変システムを採用したV型6気筒3.7LのVQ37VHR型。セダン用のVQ35HRから排気量アップした上で、可変機構を備えており、333ps/37.0kg-mのパワー&トルクを発生する。それも2400〜7000rpmまでの幅広い回転域で最大トルクの90%以上を発生するので、力強くて扱いやすいエンジンとなる。
このエンジンの良さはアクセルを踏み込むとすぐに分かる。セダン用のVQ35HRもレスポンス良く回るのが身上だったが、VQ37VHRエンジンでは一段と力強い加速フィールが得られる上、それが高回転域までずっと伸びていくからだ。アクセルを踏み込んだときの速さは相当なものがある。高回転域まで回したときのパワーフィールに優れるのも特徴で、回せば回した分だけの値打ちのあるエンジンといえる。
洗練された上質な走りを実現した
タイプS系には6速MT車の設定もあるが、全車に設定されるATが5速ATというのはちょっと不満。今ではこのクラスのクルマには6速ATが一般的だからだ。ただ、変速フィールそのものは特に悪い印象ではなく、スポーティな変速となるDSモードの設定や、パドルシフトによってシフトダウンの操作をするときにシンクロレブコントロールが働いて滑らかな変速を実現する。それだけに、これが6速ならさらに良いだろうと思わせるのだ。
乗り心地を始めとする全体的な走りのフィールは、ちょっと粗削りなところがあると感じさせたセダンに比べると、角が取れた洗練された感じになった。より熟成されて走りの質感が向上した印象だ。
振動や騒音のレベルもセダンに比べると良くなった印象があるが、この価格帯のクルマとしてはまだロードノイズや車外で聞く排気音などが大きめ。スポーティなクルマでも、もっと静かで良い。
●お勧めグレード
スカイラインクーペを買うなら最上級グレードの370GTタイプSPだろう。スポーティな志向のタイプSでも、ラグジュアリーな志向のタイプPでも不満が残る。今や高級車となったスカイラインクーペなのだから、スポーティであると同時にラグジュアリーであることも必要だ。本体価格が450万円弱で、カーナビなどのオプションを装着すると車両価格は500万円に達するが、それでも買うなら満足度の高いタイプSPがいい。スカイラインはこの価格帯で買うクルマになったのだ。
やや残念なのはタイプS系のグレードにはインテリジェントクルーズコントロールや前席緊急ブレーキ対応型プリクラッシュシートベルトなどがオプション設定されておらず選択できないこと。安全装備は全車で選択できるようにして欲しい。
セダンから200cc排気量アップした3.7Lエンジンを搭載する。圧倒的なパワーはもちろん、広い回転域で太いトルクを発生するので扱いやすさも抜群だ。
370GTと370GTタイプPは18インチタイプSとタイプSPには19インチのタイヤ&ホイールが装着される。どちらの仕様でも洗練されたスポーティな走りが味わえる。
代表グレード | 370GT Type SP(6速MT) |
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4655×1820×1390mm |
車両重量[kg] | 1660kg |
総排気量[cc] | 3696cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 333ps(245kw)/7000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 37.0kg-m(363N・m)/5200rpm |
ミッション | 6速MT |
10・15モード燃焼[km/l] | 9.4km/l |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 441.0万円 |
発売日 | 2007/10/2 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 和田清志/菊池一仁 |