今回のモデルでは走り進化が大きく注目される。搭載エンジンはV型6気筒の3.5Lと直列4気筒の2.4Lの2機種。3.5Lは電子制御6速ATと組み合わされ、2.4LはスーパーCVTと組み合わされている。
従来の3.0Lから3.5Lに排気量アップされたV型6気筒エンジンは280ps(206kW)/35.1kg-m(344N・m)の余裕の動力性能を発揮する。このトヨタの3.5Lエンジンは幅広い車種に搭載されており、その性能については折り紙付きともいえるもの。馬力換算でいえば280psの実力なのだから、最上級グレードでは2tを超える重量級のボディも全く問題にしない。
大柄で重いボディの上級ミニバンを速く走らせるのは必ずしも良いことではないが、ブレーキのフィールも悪くはなく、ブレーキング時の挙動変化も違和感のないものとされている。
2.4Lエンジンは170ps(125kW)/22.8kg-m(224N・m)の実力なので、動力性能では3.5Lと大きな違いがあるが、実際に走らせた感じはこれで十分といったもの。3.5Lと同じ感覚で走らせようとするときには、その分だけエンジンを回さなければならないのでエンジン騒音がやや大きくなるが、これも大きな不満にはならない。むしろCVTと組み合わされたことによる走りの滑らかさや向上した燃費などから得られる満足のほうが大きいと思う。
新型車を走らせるとすぐに感じられるのが走りの安定感だ。これはも最初のコーナーを曲がった段階ですぐに分かる。足回りはそれなりに柔らかめのチューニングがなされているのでコーナーではロールするものの、そのロールの出方が穏やかなので不安感がない。普通に走るときには後席の乗員が満足できる乗り心地の良さに好感が持てた。
●お勧めグレード
今回のアルファード/ベルファイアは300万円から450万円までと価格帯が上昇している。これはS-VSCやサイド&カーテンSRSエアバッグを標準装備するなど、装備や仕様が充実化されたことが大きな理由で、それを考慮に入れると実質的には割安になっているくらいなのだが、価格帯が上方へ移行したのは確か。
しかもカーナビ&オーディオのセットをオプション装着すると50万円以上かかるし、ほかにも装着したいオプションがあることを考えるとベースグレードの240X/2.4Xをベースに、欲しいオプションを装着するのが正解といえそう。今は発売直後なので240G/2.4Vを選ぶユーザーが多いかも知れないが、長期的にはベースグレードがたくさん売れるはずだ。