ライター紹介

モータージャーナリスト

片岡 英明 氏

学校の先生から自動車雑誌編集者経て、モータージャーナリストになったという異色の経歴を持つ。元教師ということもあり、分かりやすい評論に定評がある。さらに、クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほど。最新のクルマから、ヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

爽快なオープン・エアドライブとクーペの快適性を両立させた

 伝統のSLシリーズの下のポジションを与えられたプレミアム・スポーツが「SLK」である。初代モデルが登場したのは1996年だ。世界に先駆けて自動開閉式ハードトップのバリオルーフを採用し、粋なオープン・エアドライブだけでなくクーペの快適性も実現した。第2世代のSLKは2004年に発表され、06年に日本に上陸している。5月にSLとともにマイナーチェンジを行い、フロントマスクなどを化粧直しした。また、パワーユニットをチューニングし、パワーアップを達成している。
 日本仕様は1.8リッターの直列4気筒DOHCエンジンにスーパーチャージャーを装着したSLK200コンプレッサー、3.5リッターの�型6気筒DOHCエンジンを積むSLK350、そしてスープアップした5.5リッターのV8SOHCエンジンを積むSLK55AMGを設定した。SLK200と上級のSLK350にはスポーツパッケージを用意している。SLK200は右ハンドル車、SLK350は右と左ハンドル車を設定、SLK55AMGは左ハンドル車だけの設定とした。

F1マシンをモチーフにしたフロントバンパーが印象的

 エクステリアは、マクラーレンのF1マシンを彷彿とさせるバンパーのエアインテーク、アローデザインとしたウインカー、視認性向上のために大型化したドアミラー、ディフューザーデザインのリアスカート、ダークティンテッドリアコンビネーションランプなどで新鮮味を出している。バンパーのデザインが変わったこともあり、見た目の印象はかなり違う。
 SLK200コンプレッサーに用意されているスポーツパッケージは、コーナリングライトやバイキセノンヘッドランプ&ヘッドランプウォッシャーが標準だ。また、ハイパフォーマンスモデルのSLK55AMGはハイグロス仕上げのフロントリップスポイラーや大型のエアインテーク、AMGデュアルツインクロームエキゾーストエンド、ダークティンテッドリアコンビネーションランプなどを採用し、差別化を図った。標準仕様より精悍でスポーティなデザインとなっている。

代表グレード メルセデス・ベンツSLK200コンプレッサー
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4110×1810×1300mm
車両重量[kg]1430kg
総排気量[cc]1795cc
最高出力[ps(kw)/rpm]184ps(135kw)/5500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]25.5kg-m(250N・m)/5000rpm
ミッション5速AT
10・15モード燃焼[km/l]11.6km/l
定員[人]2人
税込価格[万円]563.0万円
発売日2008/5/28
レポート片岡英明
写真佐藤靖彦

F1マシンを思わせるフロントバンパーを始め、スポーティなデザインが印象的だ。

室内のスイッチひとつで簡単にルーフを開閉することができる。クーペとオープンの両方をその日の気分で楽しめるのが魅力だ。

ナンバープレートに隠れて見えづらいが、F1マシンのフロントウイングを思わせる形状のバンパーが特徴的だ。大きなスリーポインテッドスターを始め、メルセデス・ベンツのスポーツカーらしい個性と存在感を感じさせてくれる。

ディフューザー形状のリヤバンパーはSLと共通のイメージだ。マフラーは左右2本出しで、サウンドもスポーティで好印象。