BMW M3 クーペ
待望の2ペダル仕様を追加
ツインクラッチ化で瞬間変速
BMWのハイパフォーマンスライン、M3も現行型で4代目。そのコンセプトは一貫したもので、プレミアム性も兼ね備えている。歴代シリーズのなかでも、とくに現行型のモンスターぶりには注目で、心臓部に収まるのは4リッターV8の自然吸気で、420psものパワーを発揮する。実際のフィーリングも期待を裏切らず、荒々しくて官能的のひと言。M3の新たな真髄を存分に味わうことができる。エンジンの味付けとしては、高回転型と高らかに謳う反面、40.8kg-mという極太なトルクの約85%以上を2000回転から出し続けるという柔軟な部分もある。 そしてこれに組み合わされるのが、クラッチレス、つまりMTベースの2ペダルである7速M DCTドライブロジック。先代にも同様にMTベースとしたSMGが用意されていたが、あちらはシングルクラッチ。一方、DCT(ダブル クラッチ トランスミッション)の名が示すように、今や流行の兆しすらあるダブルクラッチとすることで、素早い変速を可能にしている。もちろんその変速スピードたるや、MTを人間が操る比ではない。 その恩恵は絶大で、ひと度アクセルを踏めばエンジンは豪快に吹け、さらにミッションが7速もの多段を駆使して瞬時に変速を繰り返し、風景はまさに非日常。正直、公道ではそのパフォーマンスのほんのわずかしか楽しむことはできないだろう。またMドライブ パッケージを選べば、エンジン/ダンパー/ステアリングなどのセッティングをiドライブを通じて好みで選ぶことができる。 [エコ&燃費] 輸入車ながら10・15モード燃費を計測し、発表しているのは立派だが、さすがに数値は8km/L。実用燃費は、取材時の計測でも出ている6km/L後半ぐらいだろう。飛ばせば5km/Lを軽く割るだけに、燃費について触れるのは意味ないかもしれない。
[安全性能] 強力なブレーキや剛性の高いボディなど、走りのレベルの高さを安全性に結びつけている。Mドライブによって、安全ディバイスのセッティングも選ぶことができる。
[取材時実測燃費] 6.8km/L
[BMW M3クーペ価格帯] 1010〜1060万円 |
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日産 GT-R
ついに復活した第3世代GT-R
世界でも通用するハイスペック
R34以来、消滅していたRの称号。それが再び復活したのがR35GT-Rだ。いわば第3世代のRを新たに切り開くモデルであり、世界的なハイパフォーマンスカーの流れを受けて、日本だけでなく、世界で通用するスーパーカーとして登場してきた。ベンチマークとしたのはポルシェ 911ターボで、ニュルブルクリンクで徹底的に煮詰められて開発されたのはご存じのところ。ちなみに今回の開発時の計測でGT-Rは市販車でのニュル最速タイムを叩き出している。エンジンはGT-Rのためだけに開発された3.8リッターV6でツインターボが組み合わされ、480ps/60kg-mを発生。 またツインクラッチの2ペダルMTを採用しているが、これはトランスアクスル方式としてリヤに置かれ、前後の重量配分の最適化などに威力を発揮している。もちろん駆動方式は4WDで、前後のトルク配分は0:100〜50:50の可変式。トランスアクスルと4WDの組み合わせはプロペラシャフトを2本通さなくてならず、世界で唯一の方式だ。横滑り防止装置の介入具合や足まわりの硬さなど、任意に選ぶことができ、ハイパフォーマンスを安全に楽しめるようにも配慮されている。 スタイルはベースとなったV36スカイラインとはまったく異なり、空力を最大限に引き出すべく、流れるラインを取り入れたモノ。そこに丸テールなど、スカイラインらしさをアピールするエッセンスをプラスし、新世代のGT-Rのイメージを作っている。
[エコ&燃費] エコなどとは無縁に思えるが、じつは平成17年排出ガス基準50%低減レベル取得と、キャラクターを考えれば立派。燃費も高速でうまく巡航すれば10km/Lに近づく。パワーと燃費は背中合わせといういい例だ。
[安全性能] エアバッグはサイドのカーテンも含めてフル装備。アクティブセーフティに関しても、挙動安定装置のVDC-Rなど、高いレベルだ。さらに歩行者保護は、ボディパネルの衝撃吸収性を向上させて対応している。
[取材時実測燃費] 7.2km/L
[GT-R価格帯] 777.0〜834.75万円 |