現行モデルのハリアーは3代目
2014年1月にフルモデルチェンジがされ3代目となったトヨタ ハリアーは、高級SUV路線をひた走るモデルだ。
■レクサスの姉妹として登場した初代
初代ハリアーは、1997年にデビューした。当時のトヨタは、北米で高級ブランドであるレクサスを立ち上げたばかり。そのレクサスブランドの基幹モデルとして売られていたSUVがレクサスRX。初代ハリアーは、この高級SUVであるレクサスRXと同じモデルだった。欧州の高級車と肩を並べるレクサスブランドのRXと同じという良いイメージもあり、初代ハリアーはヒットモデルとなる。その後、2代目ハリアーは2003年に登場。2代目も当然のように、高級SUV路線を踏襲し人気モデルの道を突き進んだ。この頃から、ハリアーにレクサスエンブレムを付けるなどのカスタマイズが流行り始めた。■決別、そして独自路線へ
その後、姉妹車だったレクサスRXがフルモデルチェンジされ3代目となった。しかし、よりオリジナリティを重視するレクサスブランドは、ハリアーとの姉妹車関係に決別。ハリアーは独自の道を進むしかなくなったのだ。そこで、トヨタブランドでは、ヴァンガードが投入し、ハリアーの後釜を狙うもハリアー顧客には見向きもされない。ヴァンガードは、あっという間に姿を消す。トヨタにとって、まさかの展開になり、ハリアーに代わるモデルがないまま2代目ハリアーは、なんと9年もの間、国内で販売されるロングセラーモデルとなった。■長年国内専用車でいられる理由
本来ならば、ほぼ国内専用車となるハリアーに多額な投資は避けたいところだ。国内専用車では、販売台数が少なく儲からない。しかし、トヨタは国内専用車となる3代目ハリアーの開発を決断した。多額の投資をする以上、とにかく売らなくてはならない。国内専用車が国内でコケれば、もはや巨額な赤字車となる。そこで、3代目ハリアーは、高級SUVとしての価値を徹底的に研究。先代ハリアーの良さは継承しながら、より日本人好みで使いやすい高級SUVとなった。スタイリッシュなデザインに豪華なインテリア、快適な乗り心地と静粛性。非常にバランスの良いSUVになった。搭載されたエンジンは、2.5Lハイブリッドと2.0Lガソリン。2.0L車はやや非力な印象もあるが、良く売れている。燃費面では、ハイブリッド車は、21.4㎞/L。ガソリン車のFFモデルは16.0㎞/Lとなっている。
そんなハリアーに新しく投入されたモデルが PREMIUMとPREMIUM“Advanced Package”をベースにした“Style ASH(アッシュ)”だ。
特別仕様車トヨタ ハリアーStyle ASH(アッシュ)の変更点
特別仕様車トヨタ ハリアーStyle ASH(アッシュ)は、インテリアカラーの変更をメインとしたモデルだ。内装は、グレー基調とし、滑らかな風合いのウルトラスエードのシート表皮(ライトグレー・メイン材)と合成皮革(ウォームグレー)を組み合わせた専用シートが装備された。また、インストルメントパネル、ドアトリムなどに専用内装色ウォームグレーを採用したほか、随所にライトグレーのステッチを施して統一感を出している。さらに、ピアノブラック調の本革巻き3本スポークステアリングホイール、ブルーの輝きを持たせたヘアライン調加飾のシフトパネルを採用している。
ハリアーは高級SUVなのだが、インテリアカラーの選択肢がブラック系かアイボリー系しかなかった。高級車を好む顧客の多様性には、この2色では対応しきれない部分もあっただろう。今回の特別仕様車の投入で選択肢が増えたことになる。
また、高級SUVらしい装備も充実させている。運転席8ウェイ&助手席4ウェイパワーシート(運転席4ウェイ電動ランバーサポート付)&マイコンプリセットドライビングポジションシステム(ステアリング・シート)や快適温熱シート(運転席・助手席)などが特別装備された。
トヨタ ハリアーStyle ASH(アッシュ)の価格は、ハイブリッドの PREMIUM“Advanced Package・Style ASH”で4,692,109円。ベース車に対して約10万円のアップとなっている。価格アップはわずかだが、装備向上分相当といった印象だ。
ハリアーを選ぶならどのモデルが良いのか
トヨタ ハリアーの選び方は、難しい。高級SUVという位置づけのため、とにかく高価だ。ハリアーハイブリッド PREMIUM Advanced Package(4WD)の価格は4,591,963円もする。月販5千台ペースで売っているものの、主力は価格の安いガソリン車だ。ハイブリッド車の比率は2~3割といったところで、トヨタのウリでもあるハイブリッド車が売れないのは、価格設定が高いからだと言われている。
■結論は、ハイブリッド。だが・・・?
とはいえ、高級SUVでこれから単なるガソリン車はドンドン姿を消すことを考えると、おすすめは当然ハイブリッドになる。リセールバリューも当然ハイブリッドの方が高くなると予想できる。 グレード選択は、PREMIUM Advanced Packageしかない。この価格で、前走車追従式のクルーズコントロールやインテリジェントクリアランスソナー、プリクラッシュセーフティシステムが付いていないのでは、高級SUVとは呼びにくいので標準装備化されているPREMIUM Advanced Packageがおすすめ。残念ながら、ハリアーには歩行者検知式の自動ブレーキさえ用意されていないので、これらの装備は必須ともいえる。こうなると、ハリアーハイブリッドの最上級グレードを買うには500万円弱の予算が必要になる。これだけの予算があると、BMW X3などの1~3年落ちの高年式中古車が手に入る価格帯。ハリアーは、非常に悩ましい価格だ。
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特別仕様車トヨタ ハリアー/ハリアーハイブリッド“Style ASH(アッシュ)”価格
・PREMIUM“Style ASH” 2.0Lガソリン FF 3,237,055円/4WD 3,431,455円
・PREMIUM“Style ASH” 2.5Lハイブリッド 4WD 4,132,473円
・PREMIUM“Advanced Package・Style ASH” 2.0Lガソリン FF 3,797,673円/4WD 3,992,073円
・PREMIUM“Advanced Package・Style ASH” 2.5Lハイブリッド 4WD 4,692,109円
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