ラグジュアリー感あふれる特別仕様車デビュー
スバルはSUVのフォレスターに、ラグジュアリー感あふれるレザーシートなどを採用した特別仕様車「Brown Leather Selection(ブラウン レザー セレクション)」を設定し発売を開始した。スバル初のBOXER(水平対向)エンジン搭載車「スバル1000」の発売から50周年を記念した特別仕様車だ。
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フォレスターの歴史
フォレスターというモデルは、日本のSUVのおいて草分け的な存在だ。初代フォレスターは、1997年にデビューしている。日本のSUVとしては、長い歴史をもつ。初代フォレスターは、悪路の走破性を高めたクロカン4駆的SUVといよりは、ボクシィなスタイルをもちかなり乗用車的だった。シンメトリカルAWDをベースとして、ラフロードからオンロードまで幅広く使えるモデルだった。基本的にオンロードでのパフォーマンスが重視されていて、速さへのこだわりも強くターボモデルも用意されており高い人気を誇っていた。これは、SUVなのにスポーツカー並みの動力性能をもったモデルとして、その意外性が人気の秘密でもあった。
電動化技術は遅れているスバル
2代目フォレスターは、ほぼキープコンセプトで乗用車的のまま。しかし、3代目フォレスターから、そのテイストを大きく変更し、オフローダー的なテイストを強めていく。4代目フォレスターも同様に、オフローダーの要素を強めたSUVとしてデビューする。
4代目フォレスターは、2012年にフルモデルチェンジしデビューした。その後、2015年にマイナーチェンジを施している。SUVにはFF車も多いが、現行フォレスターは、すべてAWDの設定。FFの安価バージョンを設定すれば、そこそこ売れるのに、AWDにこだわるのは、いかにもスバルらしいところでもある。搭載されるエンジンは、2.0Lか2.0Lターボの2種類。XVなどに搭載されているハイブリッド車は用意されていない。スバルの電動化技術は遅れていて、ガソリン車のみのラインアップであることから、エコカー減税への対応は2.0L車がギリギリ対応している状況だ。
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アイサイト全車標準装備化ならず少々物足りない
スバルといえば、ぶつからないクルマで話題となった『アイサイト』だ。フォレスターにもアイサイトは搭載されている。アイサイトとは、歩行者検知式の自動ブレーキなどを備えた安全装備だ。安全をアピールするが、残念ながらアイサイトは全車標準装備とはなっておらず、少々物足りない部分でもある。また、同様にサイド&カーテンエアバッグも一部グレードを除き標準装備。こちらも全車標準装備化はされていないが、国産モデルとしては、ワイドなレンジで安全装備が標準装備化されているのは評価できるポイントだ。
専用インテリア装備でラグジュアリー感あふれる仕上がり
そんなフォレスターに投入された特別仕様車が、Brown Leather Selection(ブラウン レザー セレクション)。「2.0i S-Limited」と「2.0XT EyeSight」をベースとし、レザーシートなど、インテリア各部をブラウンカラーでまとめた専用インテリアが装備されている。オフローダー的イメージをもつフォレスターとは、少々逆のテイストをもつ高級感あふれるインテリアになっている。
高級車に匹敵する高い安全性能を得た特別仕様車
さらに、装備関連では、本革巻ステアリングホイールに、ヒーター機能をスバルとして初めて採用。便利機能であるパワーリヤゲートやアドバンスドセイフティパッケージを標準装備。高級感をアップした内装に相応しい便利機能と、高級車に匹敵する高い安全性能を得た特別仕様車に仕上げられている。フォレスターの最上級グレードといった仕様になった。特別装備
・ 高触感本革巻ステアリングホイール(シルバーステッチ)+ステアリングヒーター・ インパネセンターバイザー(レザー調素材巻+シルバーステッチ)
・ 前席カップホルダー(2ヶ、メッキリング付)
・ リヤシートセンターアームレスト(ピアノブラック調加飾+シルバーフレームカップホルダー付)
・ パワーリヤゲート
・ ブラウンレザーシート (アイボリーステッチ)
・ センタートレイ&ドアグリップ加飾(ブラウン合成皮革巻+アイボリーステッチ+シルバー塗装)
・ ドアトリム(ブラウン合成皮革+アイボリーステッチ)
・ ドアスイッチパネル(ピアノブラック調加飾+シルバーフレーム)
・ ドアアームレスト&スライド機構付コンソールリッド(ブラウン合成皮革+アイボリーステッチ)
・ アドバンスドセイフティパッケージ〈2.0XT EyeSight Brown Leather Selectionは標準装備〉
お買い得な特別仕様車だが値引きは・・・?
フォレスター Brown Leather Selectionの価格は、3,132,000円。ベース車のS–Limitedグレードに対して、約24万円のアップとなっている。通常モデルにパワーリヤゲートと本革シート、アドバンスセイフティパッケージのセットオプションだけで、約22万円となる。つまり、差額の2万円でステアリングヒーターなど、その他の装備が装着したことになる。こうしてみると、ややお買い得感がある。だが、オプションは、それなりに利益が出る価格設定になっていることや、お買い得な特別仕様車なので値引きできないなどの対応が取られると、実際にはそれほど買い得感があるとはいえない状況にある。
大幅値引きを狙うには?
こうした特別仕様車は、値引き抑制のツールとしても使われるケースがある。そのため、 Brown Leather Selectionの値引きが少なければ、あまりメリットがない。よほどこの特別仕様車が気に入っているという人以外は、S–Limitedグレードに約22万円のオプションを選択し、大幅値引きを狙ったほうが買い得感が出るだろう。
ガソリン車はリセールバリューが下がっていく可能性も
同じフォレスターで考えると、やや買い得感のある特別仕様車の価格だが、国産のSUVと比べるとやや高めの価格設定となる。例えば、CX-5の2.5L車で4WD、本革シートのモデルが約310万円。やや装備が異なり排気量が違うが、CX-5の方が割安感がある。ただCX-5は、歩行者検知式の自動ブレーキが装備されていないのが弱点だ。また、日産エクストレイルハイブリッドも十分に狙える価格帯にもなる。フォレスターは、普通のガソリン車しかないので、CX-5のクリーンディーゼル車や、エクストレイルハイブリッドなどと競合させて一定の値引きを引き出したい。SUVは人気でリセールバリューが高い傾向にあるが、今後、トヨタからハイブリッドSUVのC-HRなどが出てくれば、時代はドンドンと電動化やクリーンディーゼル化が進む。長期的にみれば、単なるガソリン車は今後リセールバリューも下がっていく可能性が高い。<関連記事>
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スバルフォレスター Brown Leather Selection 価格
フォレスターの価格は、以下の通り。
・S–Limited Brown Leather Selection:3,132,000円
・2.0XT EyeSight Brown Leather Selection:3,312,360円
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◇執筆者プロフィール◇
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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