※安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。
大きく重いミニバンのようなクルマほど、歩行者との接触は大きな事故につながる。それだけに、このクラスは歩行者検知式の自動ブレーキは必須アイテムと言える。人気の高い5ナンバーミニバンで、初めて歩行者検知式自動ブレーキを装備したのは、日産セレナ。すでに、先代モデルから用意されていた。こうした高い安全装備もあり、モデル末期でもセレナはよく売れた。
その後、ホンダ ステップワゴンがフルモデルチェンジ。デビュー直後のステップワゴンには、このクラスではトップレベルの安全性能をもつ「ホンダセンシング」を用意していたものの、全車にオプションという腰が引けた設定だった。しかし、販売台数が不調であることや、ライバルのセレナが歩行者検知式自動ブレーキである「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」が標準装備化されていることを受け、ステップワゴンは1グレードを除きホンダセンシングを標準装備化した。
遅れているのは、トヨタのノア/ヴォクシー/エスクァイア。この3台に用意されているのは、歩行者検知ができない自動ブレーキである「トヨタセーフティセンスC」。それも、一部車種はオプション設定という状況になっている。
ホンダセンシングを得たステップワゴンは、最廉価グレード以外はどのグレードを買っても安心。全体的に高い水準の安全装備が標準装備化されていて、安心して乗れるミニバンに仕上がっている。
対してセレナは、歩行者検知式自動ブレーキであるインテリジェント エマージェンシーブレーキこそ標準装備化されているものの、その他の安全装備はオプションの中から自ら選ばなくてはならない。オプションをケチると、ステップワゴンよりも安全性能は大幅に下回る。
そして、ヴォクシー系は、最新ミニバンとしての予防安全性能は水準以下となってしまっている。トヨタセーフティセンスCでは、ステップワゴンとセレナには太刀打ちできない状況だ。
こうした状況だが、実際の販売状況ではヴォクシー系が1位、2位がセレナ、3位がステップワゴンとなっていて、必ずしも安全なクルマが売れるという訳ではない。