- この記事の目次 CONTENTS
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- 特別なモデルである4シリーズ
- クーペらしく美しいエクステリア
- やはり主役はシルキーシックス
- スペシャリティカーである4シリーズクーペ
- プラスアルファされた安全システム
- 4シリーズクーペの価格・グレード情報
特別なモデルである4シリーズ
近年、どんどんラインナップを増やしているBMWにおいて、基本となるのは1、3、5などの奇数モデル。そして、2、4、6といった偶数モデルは、奇数モデルのスペシャリティモデルといった位置付けである。
このページで取り上げている4シリーズは、BMWではもっとも基本的な位置付けにある3シリーズのスペシャリティモデル。クーペ、カブリオレといった往年のスポーツカーや、4ドア(正確には5ドアハッチバック)のグランクーペという3種類のボディ形状をラインナップする。
独立モデルになった4シリーズ
今回ご紹介する4シリーズクーペは、2013年9月に3シリーズクーペから独立したモデルとして日本での販売を開始。先代までは、4ドア3シリーズセダンのオマケ的な存在で、ある意味「3シリーズの伝統」に縛られていたが、独立したことで、ボディサイズや細部のデザインに至るまで、独自性を明確に主張できるようになった。
クーペらしく美しいエクステリア
通常の3シリーズと比較すると、キドニーグリルと繋がったヘッドライトやL字型テールランプは同じ、また、ホイールベースも2,810mmと共通。しかし、全長は14mm延ばされ、全幅は14mm拡大。さらに全高は67mmも低くなったことで、よりクーペらしいワイド&ローなスタイルになった。
そして、3シリーズセダンよりも大きく寝かされたCピラーは、ボンネット先端から、トランクリッドまで美しい稜線を描き、クーペらしく流麗で美しいプロポーションを手にしている。
アグレッシブ且つ上質なインテリア
BMWの豊富なラインナップの中で、もっともエンスージアストたちの心を満たすモデルは4シリーズクーペで間違いないだろう。そのコンサバティブとも言える普遍的な魅力の一つがコックピットである。
仕立てが良くホールド性の高いシートに腰を下ろせば、少々高めなセンターコンソールと、ドライバーに向けられたあらゆる計器類。その何とも言えない閉塞感と、低いアイポイントが、否が応にもドライバーをその気にさせてくれるだろう。
やはり主役はシルキーシックス
小排気量で省燃費というのが現代のエンジンに求められるトレンドであり、地球環境のことを考えれば当然でもある。地球上に生きている以上、納得しなければならない。そんな中、440iに搭載されるB58B30A型も、いわゆるダウンサイジングターボであり、BMW最新のモジュラーエンジン。
と言っても、そのパフォーマンスは、最高出力326ps/5,500rpm、最大トルク45.9kgm/1,380-5,000rpmで、日本国内では間違いなく持て余すほどのパワー。さらに、滑らかな回転フィールと官能的なエキゾーストノートは健在。このフィーリングを味わうためだけに、6気筒モデル選んで損はない。
4気筒エンジンも上出来
絶滅危惧種と言っても良い6気筒エンジンはもちろん素晴らしいが、それほどのパワーを必要としない場合は、420iや430iに搭載される2.0リッター4気筒エンジンでも、6気筒とは違った良さを味わうことができる。絶対的なパワーでは敵わないものの、4気筒とは思えないスムーズさを持ち、日常の使用ではパワー不足を感じることはほとんど無いだろう。
スペシャリティカーである4シリーズクーペ
ハイパワーのエンジンの2ドアクーペとなると、どうしてもスポーツ走行を強く意識してしまうかもしれない。だが、4シリーズクーペはスポーツカーではなく、あくまでもスペシャリティクーペである。どれだけハイパワーであっても、乗り味は実に紳士的でスムーズ。必要な情報だけを的確にドライバーに伝達してくれる。
理想的な重量配分
車好きならば、きっと耳にタコができるほど聞いていると思われるが、ここはあえて前後の重量配分について語らせてもらう。BMWのFRと言えば前後50:50という理想的な重量配分で有名。ドライバーがコーナリング時に発生するヨーモーメントの中心にいることになり、「人馬一体」となった感覚を得ることができる。
前後重量配分が50:50にすることで、4つのタイヤが効果的に働き、前後の荷重移動が云々。などという小難しい講釈は、サーキットで限界を求める走りをしない限り必要ない。大切なことは、4シリーズクーペがいかに気持ち良く走ることができ、「駆け抜ける歓び」を実感できるかどうかである。
プラスアルファされた安全システム
BMWにラインナップされるモデルは、自動ブレーキなどの基本的な安全システムは標準装備となっている。4シリーズクーペはそれらの基本的な安全装備に加え、車線変更時に後方を監視するレーンチェンジウォーニング」や、ステアリングと連動してヘッドライトの向きが変わる「アダプティブLEDヘッドライト」などが標準装備される。
さらなる安全と安心を提供
2017年8月のマイナーチェンジにおいて4シリーズクーペには、次世代の情報通信システム「コネクテッド・ドライブ」が標準装備された。コネクテッド・ドライブとは車に搭載された通信モジュールによって、車両の状況を販売店などとやり取りすることが可能なシステム。
日ごろのメンテナンス情報はもちろん、万が一の事故の際にも、迅速かつ的確なサービスを受けることができ、日々の安全と安心をサポートしてくれる。
4シリーズクーペの価格・グレード情報
・420i クーペ Sport 580万円
・420i クーペ Luxury 599万円
・420i クーペ M Sport 601万円
・430i クーペ Sport 704万円
・430i クーペ Luxury 707万円
・430i クーペ M Sport 724万円
・440i クーペ Luxury 837万円
・440i クーペ M Sport 854万円
4シリーズクーペが2013年に発売されて、約4年が経過してはいるが、もともと販売台数が多くないモデルのため、中古車としてあまり多くは出回っていない。しかしながら、新車価格が高めなモデルであるだけに、中古車になるとかなりのお買い得感がある。時間的に余裕があるのであれば、根気よく好みの中古車を探すのもアリ。そんなに待てない、もしくは、最新装備が欲しいのであれば、新車の見積を入手するのも良いだろう。